埼玉高速鉄道株式会社と本学は2020年に産学連携協定を締結し、2025年度も、浦和美園?見沼田んぼエリアを舞台に産学連携プロジェクトを展開しています。
2025年度のプロジェクト活動の一環として、経済経営学部経済経営学科 藤井大輔ゼミ2年生?3年生の学生たちが9月11日(木)に、さいたま市緑区にある「十色とうがらしファーム」を訪れました。
見沼田んぼは、さいたま市見沼区から緑区、川口市北西端にまたがる約1,260ha(越谷市の商業施設イオンレイクタウンの37倍)もある、東京都心部からもアクセスしやすい大規模緑地です。本学はその南端である八丁堤の南側に位置しています。この見沼田んぼは、首都圏で貴重な大規模緑地空間を後世に残すため、埼玉県などがルールを定めて保全に努めています。ただ、従事者不足などから見沼田んぼでも休耕地が増えています。そんななか、合同会社十色のサカール祥子さんらは農業法人を起こし、トウガラシ栽培や、田植え、草取り?生き物観察、稲刈りなどを子どもたちが体験できるイベントを企画されていらっしゃいます。とくにトウガラシ栽培は、日本原産の八房や甘紅、島とうがらし、黄金とうがらし、メキシコ原産のタバスコ、ハバネロ、韓国とうがらしなどおよそ60品種を、農薬?化学肥料を使わずに生産されています。

さいたま見沼で育ったトウガラシ
産学連携プロジェクトでは2024年も、とうがらしファームで収穫体験をし、学生がトウガラシ加工品を試作しました。2025年も、7月に見学と収穫体験を実施する予定でしたが、悪天候予報で9月に延期せざるを得ず、9月5日も台風15号接近による荒天により再度延期、三度目の正直で9月11日に実施できました。曇天ながら例年にない強い残暑の下、学生はサカールさんからの見沼田んぼや合同会社十色設立の経緯、トウガラシ栽培の説明を熱心に聞き入りました。農業が短期的に簡単にできるわけではなく数年単位で考えていかなければならないこと、休耕地や荒れ地を農地にする困難さなども伺い、学生は昨今のコメ価格の高騰を背景にした農業全般への関心をさらに高められました。

収穫体験を前にサカールさんからお話を伺います
その後、学生は雲の合間から強い日差しが注ぐトウガラシ畑に入り、収穫に適した大きさを聞き、それを見分け、ヘタの上部を捻るようにもぎ取り、次々と収穫していきました。サカールさんから勧められてもぎたてのトウガラシをかじって、半ば顔をしかめながら、もぎたてのうまみと辛みを実感した学生もいました。

トウガラシの収穫方法を学びます


収穫に集中して暑さも忘れるくらいです

もぎたてのトウガラシをかじってみます
今後は、この体験を通じて、例えば、見沼らしい、埼玉らしいトウガラシ加工品の検討や試作、首都圏で貴重な大規模緑地である見沼の他にない価値の伝え方や、見沼の農業と地場商業の組み合わせ方、農業を例にした経済?経営?会計の実学的な学修など、ゼミ活動を通じて、産学連携プロジェクトならではの、見沼の農業、地域づくりを中心とした、見沼田んぼ?浦和美園エリアの地域学修への考えをさらに深められるようにしていきます。
産学連携プロジェクトとして継続的にご協力いただいている合同会社十色のサカール祥子さんには、大変お世話になりました。

収穫を終えてトウガラシとともに記念撮影